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はらからトキドキ通信

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0929お知らせ はらからトキドキ通信

 来週から、映画紹介は、放送では、毎週水曜日、午前6時半過ぎからお送りします。
「原光隆 はやバン!」の中のコーナー「水曜ロードショー」です。引き続き、宜しくお願い致します。

0929金曜は映画 はらからトキドキ通信

今週の1本目
「わたしたち」 30日から名古屋・栄 名演小劇場で公開。

韓国映画です。小学校4年生の少女たちが主役。友達同士の、そして、親子の心の葛藤を描いた傑作です。



あるクラスに、仲間はずれにされている少女がいる。彼女は、気持ちのやさしい、いい子、なんだが、人付き合いがうまくなく、目立っているグループから疎まれている。何となく、明確な理由なく、いじめの状態に置かれている。

そのクラスに、転校生がやってくる。彼女は、その出会いから、いじめを受けている少女と仲良くなる。夏休みを楽しく過ごす。が、学校が始まると、目だっているグループと転校生が接近する。仲が良かった二人の間に亀裂が生じる。

その転校生は、成績がよく、クラスで一番になる。すると、今度は、それまで一番だった少女のグループから、疎まれるようになる。

ことほど左様に、あっちへ行ったり、こっちへ行ったり、くっついたり、離れたり、いろいろある。家庭環境もいろいろで、それも影響したりする。

人生で初めて経験する、友情、裏切り、嫉妬・・ それらの感情に戸惑い、葛藤を繰り返す少女たちの姿を、生き生きと映し出している。

特に、少女たちの表情、あどけなさの中に、大人っぽさが顔を出し始めるころの、表情を、みごとに描き出している。

子供たちは、他の子供たちに翻弄されるほかに、大人たちの言動からも影響を受ける。また、大人は大人で、抱えていることがある。

母親の、子供たちに対する愛情に触れる場面もある。少女の、幼い弟の言葉の中に、真実を発見する場面もある。

監督は、ユン・ガウン。1982年生まれの女性監督。少女たちが、懸命に、生き方を模索する、心の成長物語。

もう1本。
「おクジラさま ふたつの正義の物語」 30日から 名古屋・栄 名演小劇場で公開。

和歌山県太地町のイルカ追い込み漁にスポットを当てたドキュメンタリー映画です。
これまでには、2009年に「ザ・コーブ」という映画が公開されている。イルカ漁を批判的に扱ったアメリカ映画。その後、2015年には、「ビハインド・ザ・コーブ」という、「ザ・コーブ」を
見ただけではわからない問題、疑問に迫った作品が公開された。日本人女性監督の作品。



そして、今回も、日本人女性監督が撮ったドキュメンタリー。「ハーブ&ドロシー」佐々木芽生(めぐみ)監督。佐々木監督は、ある外国人ジャーナリストの眼を通して、多様な意見を取り上げていく。

外国人で、太地町で生活して、住民たちの中に溶け込んだ男性、なので、外からの眼、内側からの眼、両方から見ることができる。

さまざまな見方を紹介されると、観ているほうは、この問題の大きさ、深さに気づくことになる。

そして、一番、感じることは、環境、政治が絡むような、非常に難しくてデリケートな問題を、日本の小さな港町の住民に、背負わせているということ。

400年も前から鯨を獲って暮らしてきた。イルカも鯨の一種と考えてきた。生きるために、漁を続けてきた。海の恵みに感謝しながら、受け継いできた。それだけのこと。

そこへ、いろんな人たちが入ってきて、国際問題の象徴のような場所にされてしまった。その戸惑いの大きさにも、気を配る必要がある。

その上で、クジラ、イルカ漁について、考えてください。

0922金曜は映画 はらからトキドキ通信

「スクランブル」 22日から名古屋駅前 ミッドランドスクエアシネマほかで公開。

カーアクション満載で、かつ、観るものを欺くクライム・エンターテインメント。舞台は、フランス・マルセイユ。主役の二人は、兄弟で、窃盗団のメンバー。何を盗むか、車、それも、高級クラシックカー専門。それも、超高級。



冒頭に出てくるのは、1937年型ブガッティ。オークションで付いた値段が4,100万・$、\にしたら、その110倍。45億ぐらい。その車をトラックで輸送中、兄弟が、どうやって盗むか。この手口が、何とも大胆。

しかし、この車の持ち主が、巨大マフィアのボス。捕えられた兄弟は、痛めつけられ、追い詰められるが、そこで機転を利かせて、大ばくちを打つことになる。マフィアのボスは、すごいカーマニアで、そのコレクションがすごい。高級クラシックカーを何台も持っている。

そこで、兄弟が持ちかけた話と言うのが、そのマフィアと対立する、もうひとつのマフィア組織があって、そのボスも、車マニア。同じように、高級車を何台も持っている。それも、フェラーリのコレクションがすごい。その中でもすごいのが、1962年型フェラーリ250GTO。それを、盗み出してくる。

そんなことは、普通、できっこない。が、やらせてみることにする。与えられた期間は1週間。兄弟のもとに、凄腕のメンバーが集められる。しかし、マフィアのボスは、兄弟を信用してはいない。スパイを送り込もうとする。マフィア同士の対立。その中での大胆な作戦の実行。警察も動き出す。

この手の話には、裏切りがつきもの。さらに、巧妙に仕掛けられたわな、それが、幾重にも張り巡らされて、タイトル通り、スクランブル、緊急事態の連続。あっという間の94分。

みどころは、何と言っても、カーチェイス・カーアクション。それも、超高級クラシックカーのオンパレード。渓谷の山道を連なって走る姿は、まさに、タイヤのついた芸術品。疾走する美術館。

アストン・マーチン、オースチン・ヒーレー、ジャガー、アルファ・ロメオ、シボレー・コルベット、シェルビー・コブラ、フォード・マスタング、ポルシェ、BMW、ブガッティ、フェラーリ、のクラシックカー。世界の名車が動いているのを見るだけでも、価値あり。


「奥田民夫になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール」 
16日から名古屋駅前ミッドランドスクエアシネマほかで公開中。

20代半ばの若い男女の恋の物語。男は、妻夫木聡。おしゃれなファッション系雑誌の編集者。そのセクションに配属になったばかり。職場の先輩たちは流行に敏感な人たちが揃っている。仕事場もカタログ雑誌のグッズを並べたような、あか抜けた空間。華やかな
世界。けっこう、ワクワクしている。そして、奥田民夫命でもある。

女は、水原希子。ファッション関係のコーディネーターのような仕事。撮影現場にはモデルもいるが、モデルに負けないルックスとスタイルで、目を引く存在。しゃべり方、しぐさ、思わせぶりな態度で、男に勘違いさせるタイプの女。よくモテる。



男は、まだまだ、慣れないところがあるが、ひとつ、仕事を任される。その仕事をきっかけに、女と知り合う。女は軽く唇をとがらせながら、上目づかいで見つめる。男は、イチコロ、あっという間に惚れてしまう。

ふたりは、付き合うことになる。すると、男は、ときどき油断して、甘えが出てしまうことがある。仕事の都合で彼女をちょっとだけ、ないがしろにする。そうした途端、彼女の態度は豹変する。恐ろしいほどの冷たい声と口調で、じわじわと彼を締め上げる。

あわてて男は、取り繕うとする。すると、電話に出ない、ラインの返事もない。男は嫉妬心を煽られて、ますます、虜になっていく。思う壺。

彼は彼女に振り回されるが、彼を振り回すのは、彼女だけではない。編集者の重要な仕事は、作家のところに原稿を取りに行くこと。中には、締め切りを守らない、守れない人もいる。いい原稿を書く人の中にも、変わった人がいる。わけのわからない理由で、原稿が書けないという人もいる。安藤サクラが、その奇人変人ぶりを大いに発揮している。

仕事も恋も七転八倒。翻弄されまくりの、奥田民夫になりたい男。そのひたむきな姿で、明るい未来を切り開くことができるのか。最後には大修羅場が待っている。

出演は、妻夫木聡、水原希子、安藤サクラ、新井浩文、江口のりこ、天海祐希、リリー・フランキー、松尾スズキ ほか。監督・脚本は、「モテキ」の大根仁(おおね ひとし)。

タイトルは長いが、上演時間は短く、1時間40分。

0915金曜は映画 はらからトキドキ通信

「オン・ザ・ミルキー・ロード」 15日から名古屋伏見ミリオン座ほかで公開。
この映画は、3つの実話と、たくさんのファンタジーに基づいて作られています。



実話のひとつ目。90年代のユーゴスラビアで、ある女性が、イギリス人のスパイに気に入れられて追いかけられ、逃げ回った挙句、意外な結末を迎える話。ふたつ目は、アフガニスタン紛争のさなか、ロシア軍基地に、牛乳を補給する仕事をしていた男がいて、最後の補給の日に、牛乳好きの蛇に襲われて、その間に、ロシア軍基地が全滅する話。3つ目は、地雷原で、羊の群れを飼うことで自由を得たボスニア男の話。

そこに、ファンタジーをふんだんに混ぜ込んで展開する物語は、壮大な愛の逃避行。運目の出会いを果たした男女が、命がけで、ピュアな愛を貫こうとする究極のラブロマンス。戦争状態が続く、架空の国を舞台に、奇想天外な冒険物語が展開される。

情熱的な恋、酔いしれるダンス、魅惑の音楽、こんなときでも満載のユーモア、動物たちとのコミュニケーションも見どころで、ハヤブサ、ガチョウ、ロバ、熊、羊、犬、など、ホンモノ、実写版。自然の風景も独特で印象的。

脚本・監督・主演は、「アンダーグラウンド」「黒猫 白猫」のエミール・クストリッツア ヒロインは、「007 スペクター」でボンドガールをつとめたモニカ・ベルッチ

戦火にさらされ続けてきた地域には、こんな空気が漂っているのか。と、思わせるところがあり、こういうかたちで、戦争の愚かさを訴える、逞しさも感じさせられる。

リアリズムとファンタジーとの融合を楽しんでください。

「ギミー・デンジャー」 9日から名古屋 伏見ミリオン座で公開中。
音楽ドキュメンタリー映画。伝説のロックバンド・ストウージズの物語。



バンドが解散状態だった1973年から、その歴史を振り返っていく。結成は67年。ミシガン州アナーバーで知り合った4人の若者が、自分たちのサウンドを作り上げようと実験を重ね、デトロイトのバンド・MC5との交流を通じて、メジャーデビューを飾る。

が、過激で型破りな音楽は、キワモノ扱いされ、メンバーがドラッグに蝕まれていく。その後、当時イギリスで人気絶頂だったデヴィッド・ボウイに注目されるが、結局74年解散。そして、2003年再結成、2010年ロックの殿堂入りを果たす。

フロントマンは、イギー・ポップ。そのイギー・ポップのインタビューを始め、イギー以外のオリジナルメンバーたちの生前のインタビューを織り込み、新たに発見された貴重な映像や写真、さらに、アニメーションによるエピソード再現もありで、盛りだくさんの内容になっている。

監督は、イギー・ポップと親交が深いジム・ジャームッシュ。10代のころからストウージズの熱烈なファン。お互いの信頼関係は厚い。

映画の舞台の1960年代から70年代にかけては、まだ、音楽ビジネスが確立されていない時代。混沌とした雰囲気の中でエネルギーが充満していた時代。その、何が起きるかわからない、危険な空気を感じることができる。

ストウージズ。当時の評論家からは、下品で退廃的と酷評された。しかし、彼らに影響を受けたミュージシャンは数多い。もう50年前になる。その音楽シーンの一端に触れてみてほしい。

0908金曜は映画 はらからトキドキ通信

「三度目の殺人」
9日)から名古屋駅前ミッドランドスクエアシネマほかで公開

深くて重い、心理サスペンス。法廷が舞台。中年の男が殺人容疑で起訴された。この男は30年前にも殺人事件を起こして服役して、また罪を犯してしまった。犯行を自供していて、死刑は、ほぼ確実。この男を演じるのは、役所広司。

この男の弁護を担当することになったのが、クールで自信に満ちた弁護士。演じるのは、福山雅治。彼は、弁護士の仕事は、裁判に勝つこと。少しでも被告人の罪を軽くすること。そのためには、実際に起きたこと=真実は二の次と割り切っている。



今回の事件は、男が働いていた会社の社長が、河川敷で、後ろから頭を殴られて、殺されたというもの。男は、犯行を自供した。しかし、その動機は、極めてあいまい。そのうちに、社長の妻や子供も事件に関係あるのでは、という疑いも出てくる。謎が深まっていく。

容疑者の男は、証言をころころと変える。物的証拠に乏しい事件、容疑者の自供が、裁判を大きく作用する。なので、弁護士たちも、有効な証言を引き出そうとするが、それまでのことを、根底から覆すようなものであったりする。弁護士たちは、大きく翻弄される。

容疑者の男は、相手の心を試すような話を持ちかける。弁護士の方も、男の心の闇を探ろうとする。お互いの心の内の読み合いが続く。

緊迫感に満ちたせめぎ合いの中で、弁護士は、初めて、本当のこと、真実を知りたいと思うようになる。その真実というのは、実際に起きたこと、そして、容疑者の男の本音。

容疑者の男がこれまで背負ってきたのも、それを探ろうとすればするほど弁護士の男は、自分の今とオーバーラップする何かの影を感じたりして、でも、真相はやぶの中。ざわつく心の音が聞こえてきそう。

出演は、役所広司、福山雅治、ほか、広瀬すず、吉田鋼太郎、斉藤由貴、満島真之介、三重県出身・松岡依都美(いつみ)、市川実日子(みかこ)槁爪功 ほか

原案・監督・脚本は、是枝裕和。撮影監督は、愛知県生まれ・瀧本幹也、美術監督は、種田陽平、音楽は、ルドヴィコ・エイナウディ、印象に残る、ピアノの旋律、雪景色、街、そして、人間の顔・表情。全て一流。

「禅と骨」
明日(9日・土から)名古屋・矢場町 センチュリーシネマで公開

ドキュメンタリー。スポットが当たるのは、横浜生まれの日系アメリカ人禅僧のヘンリ・ミトワの物語。京都嵐山・天龍寺にちょっと変わった禅僧がいた。その名は、ヘンリ・ミトワ。



1918年、横浜で、アメリカ人の父と新橋の芸者だった母との間に生まれた日系アメリカ人。1940年、アメリカに渡り、戦時中は、適性外国人として、日系人強制収容所で過ごした。戦後は、ロスアンゼルスで家庭を持ち、1961年に帰国。

時代の波に翻弄されながらも、日本文化を愛し、茶道・陶芸・文筆にも優れた才能を発揮した。古都・京都の文化人や財界人に囲まれて過ごした。

というと、苦労はしたが、苦労が報われて、幸せな人生を送りましたとさ、となりそうだが、そんな、めでたし、めでたしの話ではない。

ヘンリ・ミトワの人生は、波乱万丈で、周りの人たちを巻き込んでいる。妻とふたりの娘を日本に呼び寄せる。それは、彼女たちの本意ではなかったはず。しかし、自分は、好きなことだけやっている。晩年には、映画を撮りたいと言い出す。禅僧として、決して、枯れて行かない。逆に、どんどん、胡散臭さを増していく。

なので、いい話ではない、後味がいいわけではない。でも、それが、人間としての魅力につながっていて、引きつけられるところ。たぶん、心の深いところでは、母に対する愛が渦巻いていたのではないか、と思わせる。

ヘンリ・ミトワは、2012年93歳でなくなった。カメラは、その最期をしっかりと追っている。監督は、2006年「ヨコハマメリー」の中村高寛、ドラマパートの出演は、ウエンツ瑛士、余貴美子、長瀬正敏、佐野史郎、ほか、

昭和歌謡が何曲か流れる。横浜ゆかりのミュージシャンたちの音楽も楽しみ。