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映画「リトルビッグファーム 理想の暮らしのつくり方」

「よろしく劇場」3月20日

「リトルビッグファーム 理想の暮らしのつくり方」

カメラマンと料理家の夫妻が、  
荒れ果てた広大な農場を理想の農場へ変貌させる経緯を記録したドキュメンタリー。
伝統農法の専門家の助言の下、鶏や羊、牛、豚とあらゆる動物を集め、
堆肥、地面を覆う被覆作物が持つ有益な微生物も活用することで、
生態系が復活し、多種多様な作物が実るようになった。

堅苦しくない、エンタメ性にも富んだ作品。
とにかく、植物、動物、昆虫や風景が美しい。

こんなところで採れたモノはおいしいんだろうな。
「楽園」というのはこんな場所なのだろう。

妻・モリーのすっぴん笑顔がとんでもなくカワイイ・・・・

映画「Fukushima50」


よろしく劇場
「Fukushima50」3月6日(金)各シネコン公開

2011年3月11日東日本大震災に伴う福島第一原子力発電所の事故で、
現場に留まり奮闘し続けた人々の姿を描いた作品。

佐藤浩市、渡辺謙、吉岡秀隆、安田成美ら豪華俳優陣。

日本が終わるかもしれないと誰もが思った原発事故。
私は本当の現場のことは知らないので、「リアル」という表現をしてはいけないのだろうが、
刻々と悪化していく状況に息をのみ目が離せない。
極限状態で必死に守ろうとした人々を描いたエンターテインメントとしては引き込まれた。

事態の深刻さと現場の状況を理解せず、
安全な場所からTV会議で勝手な指示を出す本社幹部と
喚き散らす総理大臣に振り回されながら、
死を覚悟して故郷を守ろうとした地元出身の現場作業員の姿。

「最後に何とかしないといけないのが、現場にいる俺たちだ」
最前線で指揮をとる当直長・伊崎(佐藤浩市)の言葉に涙。
「そこを何とかするのが仕事だろ」と無理難題、矛盾に直面する現場の人々は共感するだろう。
 
ただ、これを美しい感動の「ヒーロー物語」ととらえてはいけないと思う。
この事態を招いた原発政策と電力会社の姿勢について、
この作品ではあまり描かれていないし、被災した人々がどう感じるかが気になる。

まだ終わっていない事故を風化させず、考えるきっかけになることが、この作品の願いなのかもしれない。

映画「初恋」


よろしく劇場  「初恋」2月28日公開

三池崇史監督の最新作。

タイトルの「初恋」から甘い恋愛ものを期待してはいけない。
銃弾が飛び交い、血しぶきが舞い生首も飛ぶバイオレンス。
しかし、陰惨さは不思議と感じない。
各キャラクターの振り切れっぷりに爽快感さえ感じ、シュールでブラックなギャグは笑える。
特に恋人のやくざを殺され復讐の鬼と化したベッキーのブチ切れ方が圧巻。

もともと生きる意欲が薄いように見えたレオ(窪田正孝)が、残り少ない自分の余命を知り,
行きずりの薄幸の少女モニカ(小西桜子)を助けるために修羅場に巻き込まれる。
弱き者を放っておけず、立ち向かっていく様は、かつての任侠映画のようだ。
その守る動機が「初恋」というのか。

親の愛を知らず行く当てのない二人が身を寄せ合っていくラストは、ささやかなハッピーエンドだ。

男には、少なからず「強きをくじき、弱きを助ける」義侠心があるはずだ。
そいつを思い起こさせてくれる。

鑑賞後、ちょっとだけ肩で風を切って歩いてみた。

映画「グッドバイ」嘘から始まる人生喜劇


よろしく劇場
「グッドバイ」嘘から始まる人生喜劇  2月14日公開

太宰治の未完の遺作を、ケラリーノ・サンドロヴィッチが舞台で上演したものの映画化。

戦後の混乱から復興へ向かう東京。
闇稼業で小金を稼いでいた文芸誌編集長の田島(大泉洋)は、何人もの愛人を抱えていた。
青森に疎開させたままの妻子とまっとうに生きようと、愛人たちと別れる決心。
金にがめつく大食いの担ぎ屋・キヌ子(小池栄子)を偽の妻に仕立てて、
女たちに別れを告げに行くというドタバタ喜劇。

愛人それぞれの奇妙な事情。さまざまな偶然が重なり厄介な展開に。
また、青森にいるはずの妻に多数の愛人がいることが発覚に意外な事態に。

舞台の映画化ということもあり、セリフ回しや展開に舞台的な突飛さや大げささがあるが、
それがかえってテンポを出し、大胆に話が展開するので、いつの間にか引き込まれる。
ガサツな女を表現するための小池栄子のだみ声は、はじめは違和感があり、
この映画を最後まで見られるか心配したが、すぐに受け入れられた。

喜劇に不可欠な人情ホロリもあり、細かいことは考えずに楽しめる作品。

映画「37セカンズ」 


よろしく劇場
「37セカンズ」 2月7日(金)各シネコンで公開
「第69回ベルリン国際映画祭」2部門受賞。

アメリカで活動してきた女性監督・HIKARI初の長編映画。
ヒロインを演じたのは、オーディションで選ばれた佳山明(かやまめい)。
出産時に身体にハンデを負った23歳(当時)で演技初挑戦 。


生まれた時に、37秒息をしていなかったことで、車イス生活を送る貴田ユマ。
親友の売れっ子漫画家のゴーストライターとして、うまく利用されている。
共に暮らす過保護な母を息苦しく感じ始めたある日、
独り立ちをしたいと思う一心で、自作の漫画をアダルト出版社に持ち込むが、
女性編集長に「人生経験(つまり恋愛・性体験)が少ない作家に、いい作品は描けない」と一蹴されてしまう。

性体験するために出会い系や風俗の世界に足を踏み入れるが、うまくいかない。
研究のためにひそかに持っていたアダルトビデオや怪しげなグッズを母にみつけられる。
狼狽した母は問い詰めるが、ユマは反発。
たまたま知り合った夜の歓楽街を謳歌する障がい者クマさんや、
障がい者にサービスを提供するデリヘル嬢舞さんと介護福祉士俊哉と知り合い、世界を広げていく。

一大決心。幼いころに母と離婚した父を求めて旅へ。
そこで、自分の出生のいきさつや37秒間の意味を知る。
ユマは旅を経て成長、自分の人生をも前に進めようとする。
母もまた長く自らを縛ってきた呪縛から解放される。

お涙頂戴ものにあらず。

主人公ユマちゃんの変貌ぶりが見事。
明らかになっていく過去を受け止め、拙いながら言葉にする。
一人の女性の成長物語。
見事だ。
ヒットしてほしい1本。