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映画「グッドバイ」嘘から始まる人生喜劇


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「グッドバイ」嘘から始まる人生喜劇  2月14日公開

太宰治の未完の遺作を、ケラリーノ・サンドロヴィッチが舞台で上演したものの映画化。

戦後の混乱から復興へ向かう東京。
闇稼業で小金を稼いでいた文芸誌編集長の田島(大泉洋)は、何人もの愛人を抱えていた。
青森に疎開させたままの妻子とまっとうに生きようと、愛人たちと別れる決心。
金にがめつく大食いの担ぎ屋・キヌ子(小池栄子)を偽の妻に仕立てて、
女たちに別れを告げに行くというドタバタ喜劇。

愛人それぞれの奇妙な事情。さまざまな偶然が重なり厄介な展開に。
また、青森にいるはずの妻に多数の愛人がいることが発覚に意外な事態に。

舞台の映画化ということもあり、セリフ回しや展開に舞台的な突飛さや大げささがあるが、
それがかえってテンポを出し、大胆に話が展開するので、いつの間にか引き込まれる。
ガサツな女を表現するための小池栄子のだみ声は、はじめは違和感があり、
この映画を最後まで見られるか心配したが、すぐに受け入れられた。

喜劇に不可欠な人情ホロリもあり、細かいことは考えずに楽しめる作品。

映画「37セカンズ」 


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「37セカンズ」 2月7日(金)各シネコンで公開
「第69回ベルリン国際映画祭」2部門受賞。

アメリカで活動してきた女性監督・HIKARI初の長編映画。
ヒロインを演じたのは、オーディションで選ばれた佳山明(かやまめい)。
出産時に身体にハンデを負った23歳(当時)で演技初挑戦 。


生まれた時に、37秒息をしていなかったことで、車イス生活を送る貴田ユマ。
親友の売れっ子漫画家のゴーストライターとして、うまく利用されている。
共に暮らす過保護な母を息苦しく感じ始めたある日、
独り立ちをしたいと思う一心で、自作の漫画をアダルト出版社に持ち込むが、
女性編集長に「人生経験(つまり恋愛・性体験)が少ない作家に、いい作品は描けない」と一蹴されてしまう。

性体験するために出会い系や風俗の世界に足を踏み入れるが、うまくいかない。
研究のためにひそかに持っていたアダルトビデオや怪しげなグッズを母にみつけられる。
狼狽した母は問い詰めるが、ユマは反発。
たまたま知り合った夜の歓楽街を謳歌する障がい者クマさんや、
障がい者にサービスを提供するデリヘル嬢舞さんと介護福祉士俊哉と知り合い、世界を広げていく。

一大決心。幼いころに母と離婚した父を求めて旅へ。
そこで、自分の出生のいきさつや37秒間の意味を知る。
ユマは旅を経て成長、自分の人生をも前に進めようとする。
母もまた長く自らを縛ってきた呪縛から解放される。

お涙頂戴ものにあらず。

主人公ユマちゃんの変貌ぶりが見事。
明らかになっていく過去を受け止め、拙いながら言葉にする。
一人の女性の成長物語。
見事だ。
ヒットしてほしい1本。

映画「前田建設 ファンタジー営業部」


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1月31日(金)各シネコン公開 「前田建設 ファンタジー営業部」

建設業界サラリーマンの「実話」から生まれたエンタメ作品。

アニメ「マジンガーZ」の地下格納庫兼プールを「現在の技術および材料で建設するとしたら
積算=(工事などの費用を見積もること)はどうなるのか?」と、
ファンタジー営業部(広報部)のメンバーが、実現を目指して検討する物語。

実存する前田建設ファンタジー営業部の社員たちと技術者たちが、
実際に試行錯誤と七転八倒を繰り返しながら、取り組んだWEB企画が書籍化、舞台化、映画化。  


柳田理科雄さんの「空想科学読本」に夢中になったことがあるが、
あれは特撮やアニメの必殺技や現象を科学的に可能かどうかを検証した本だった。
この物語は現実の建設技術をもとに見積をつくる。
マジンガー世代はもちろん、知らない人でも充分に楽しめる。
テンポのいい展開、キャラの立った役者たちに笑わせられる。
また、当初は強引でうざったいリーダーに振り回されていたメンバーたちが、
「仕事」の面白さに目覚めて本気になり、それが会社全体や同業他社や取引先にまで
広がっていく「仕事物」ムービーとしても成立している。

仕事には、「夢」があったほうがいい。

映画『ロマンスドール』


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映画『ロマンスドール』2020年1月24日(金)公開
原作・脚本・監督:タナダユキ  

美大卒業後に、フリーターをしていた哲雄(高橋一生)。
ひょんなことから、下町のラブドール工場で働き始め職人となった。
リアルなドールを作るため本物の女性の胸の型を取ることを計画。
医療用人工乳房制作のためといつわり、美術モデルを呼ぶ。
工場に来たのが園子(蒼井優)。一目惚れして結婚した。
平穏に過ぎていく日常だったが、距離が離れてしまい、離婚の危機。
園子は抱えていた秘密を打ち明ける。ガンだったのだ。

2人は、互いの愛を命を、存在を確かめ、刻みつけるような営みを重ねる。
病気が進行し痩せていく園子の背中が美しくも切ないベッドシーン。

園子は亡くなり、哲雄は園子のラブドールを製作するため仕事に没頭。
生き写しのような完璧なラブドールだが、園子を失ったことに改めて直面し、慟哭する。

経験によって共感度合いが違うだろうし、「ラブドール」に拒否感を覚えるかもしれないが、
悲しく美しく、それでいて温もりのある作品。俺は泣いたね。
命や愛が永遠でもなく、いつか終わりがくるものであることを突きつけてくる。
全ては無常。
だが、手触りや体温が記憶に残る。
それがあれば、残された者は何とか生きていけるのだろうか。

映画「ジョジョ ラビット」


1月17日 「よろしく劇場」  
映画「ジョジョ ラビット」 1月17日公開

アカデミー賞主要6部門ノミネート。(1月17日現在)

第二次世界大戦下のドイツ。
ナチス兵士を目指す10歳の心優しいジョジョは、
ヒトラーユーゲントの訓練でウサギを殺すことができず、
〈ジョジョ・ラビット〉という不名誉なあだ名をつけられる。

ある日、母親と二人で暮らす家の隠し部屋に、ユダヤ人少女エルサが匿われていることに気づく。
やがて強く勇敢なエルサに惹かれていく──。  

ナチに洗脳され無邪気にユダヤ人を悪魔と思い込むジョジョと、反ナチ運動家の母親との微妙なやりとり。
10歳の子供の視点で描く、一見牧歌的なタッチの反戦・反ファシズム風刺映画。
子供への洗脳の怖さ。

OPやエンディングに流れるのは、ビートルズやデビッド・ボウイ。
ナチス支配下、言論思想の自由がない窮屈な暮らしで、
音楽やダンスが人間の自由の表現として欠かせないものと描かれている。
その伏線が、ラストシーンで一気に爆発する。
ジョジョ役のローマン君の素晴らしいパフォーマンスが圧巻。