安蒜豊三 きょうもよろしく

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映画「テルアビブ オン ファイア」


よろしく劇場  11月29日
「テルアビブ オン ファイア」
愛知 名演小劇場  11/30(土) 〜    三重 伊勢進富座本館  1/4(土) 〜  

第75回 ヴェネチア国際映画祭[InterFilm部門]作品賞&男優賞他、
各映画祭でも好評を得たパレスチナ問題を背景にしたコメディ。

エルサレムに住むパレスチナ人の青年のサラームは、
パレスチナの人気ドラマ「テルアビブ・オン・ファイア」の制作現場で言語指導として働いている。
ドラマプロデューサーである叔父のコネでありついた仕事。
このドラマ、パレスチナ女性スパイが、機密情報をつかむためイスラエル軍司令官を誘惑するが、
やがて本当に恋に落ちてしまうメロドラマで、パレスチナに向けてのものながら、イスラエル側にも大人気。

サラームは撮影所に通うため、毎日面倒な検問所を通らなくてはならない。
ある日、アラームは検問所のイスラエル軍司令官アッシに呼び止められ、
咄嗟にドラマの脚本家だと嘘をついてしまう。
司令官アッシはドラマの熱烈なファンである妻に自慢するため、
毎日サラームを呼び止め、脚本に強引にアイデアを出し始める。
俺ならこういうストーリーにする。イスラエル司令官をもっといい人物に描け!

困りながらも、アッシのアイデアがドラマに採用され、脚本家に出世することになったサラーム。
しかし、ドラマが終盤に近づくと、結末の脚本をめぐって、
アッシ(イスラエル)と制作陣(パレスチナ)の間で板挟みになったサラームは窮地に立たされる。
彼が最後に振り絞ったエンディングは、「その手があったか!」と驚きうならせるオチ。
終わらない紛争、閉塞感を逆手にとったしたたかさがスゴイ。

対立するパレスチナとイスラエル、日本人にとっては、ドンパチやっているイメージだが、
ふたつの民族が分離しているわけではなく微妙な距離感で生活している。
シリアスな状況を皮肉やユーモアで描いているのが、いい。

なんとなく「ノーマンズ ランド」や「ラヂオの時間」を思い出した。
2館でしか上映されないのが惜しい。

映画「決算!忠臣蔵」


よろしく劇場  11月22日(金)各シネコン公開
「決算!忠臣蔵」

山本博文の『忠臣蔵の決算書』が原作。
限られた予算の中で仇討を果たそうとする赤穂浪士たちを描いた時代劇コメディ。
堤真一と岡村隆史が主演。他豪華キャスト。

おそらく誰が見てもおもしろい、良くできた作品。
わかりやすいエンタメに徹しているが、
何をするにもお金という身もふたもないのが、
かえって「美談、浪漫、武士の美学」で語られてきた忠臣蔵のイメージにリアリティを与えている。
また、実は討ち入りしたくない藩士のエピソードなどがが人間臭くて共感できた。

映画「ベルカント」~とらわれのアリア~&「EXIT」 2本立て


よろしく劇場  
「ベルカント」~とらわれのアリア~   11/15(金)公開

1996年にペルーで起きた日本大使公邸占拠事件からヒントを得た小説の映画化。
武装したテロリストたちが乱入。パーティー中の副大統領邸内にいたVIP達が人質となった。
しかし、人質とテロリストの間に温かな絆も芽生えていく。

現実の事件のいきさつを知っているだけに、結末が切ない。
腐敗した圧政下の国では、ゲリラにも一部の理があるか。
「ストックホルム症候群」なのかもしれないが、
心が通じ合った状況からの穏やかな解決はできなかったのか。

さすがのケン・ワタナベと加瀬亮の通訳ぶりがリアリティあった。


「EXIT」
ミッドランドスクエアシネマ  11月22日公開  

有毒ガスが蔓延した都市、高層ビル群の上層階で生き延びた人々が脱出を図る姿を描き、
韓国で大ヒットを記録したサバイバルパニック。

大学卒業はしたが、韓国の就職難で就職できずに肩身の狭い思いをしている青年ヨンナム(チョ・ジョンソク)。
大学時代に振られた山岳部の後輩ウィジュ(「少女時代」のユナ)かわいいんだこれが!
有毒ガスはどんどん上昇し、高層の宴会場に迫る。
救援ヘリが来たが、2人は定員オーバーで残る羽目に。
登山部で鳴らした2人は地上数百メートルの高層ビル群を命綱なしで登り、飛び移り、危険な街からの脱出を図る。

極めて明快にハラハラドキドキ。
突飛な設定ではあるが、そんなことはどうでもよくなる力強さで最後まで飽きさせない。
身の回りにある物を駆使してサバイバルする二人に、感情移入できる。
絶望的な状況でもユーモラスな表現を貫く演出は、ジャッキーチェン作品のようで好感。
主人公の背景にある韓国での就職難、SNSやドローンなどのイマドキ感もいい。
見る人を選ばないサービス満点作品。 (tyz)

東海3県で1館でしか公開しないのがもったいない。

映画『グレタ』


よろしく劇場  11月8日
『グレタ』
11月8日公開  TOHOシネマズ名古屋ベイシティ 伏見ミリオン座  

ストーカー系サイコスリラー。
ニューヨークの高級レストランで働くフランシス(クロエ・グレース・モレッツ)は、
地下鉄で誰かが置き忘れたバッグを見つける。
そのバッグの持ち主は、未亡人グレタ(イザベル・ユペール)のもので、グレタの家までバッグを届けた。
年の離れた友人としての親密な付き合うようになる2人だったが、
ある日フランシスは、グレタの家の戸棚を開くと自分が届けたものと同じ、
届け主の名前(すべて女性、電話番号ポストイット付き)のバッグが大量に並べられているのを目にする。
これはおかしい気味が悪いと、グレタと距離を置こうとしたが、恐ろしい出来事に巻き込まれていく。

つっこみどころは、いくつかある。
また、フランシスが巻き込まれていく展開も想定の範囲内なのだが、
それでも充分に怖いのは、イザベル・ユベール演じるグレタの
表情があるのかないのかわからない不気味さゆえんか。
グレタの奇行の理由をはっきり描かないのも、また不気味。
怖いです・・・・

映画 「閉鎖病棟」―それぞれの朝― 


よろしく劇場  11月1日
「閉鎖病棟」―それぞれの朝―  2019年11月1日(金)公開 各シネコン

精神科医でもある帚木蓬生のベストセラー小説の映画化。
笑福亭鶴瓶、綾野 剛、小松菜奈が主要人物を演じる。

長野県のとある精神科病院。それぞれの過去を背負った患者たちが暮らしている。
死刑執行が失敗し生き永らえた秀丸(笑福亭鶴瓶)。
サラリーマンだったが幻聴が聴こえ暴れ出すようになり、入院しているチュウさん(綾野剛)。
継父の性的虐待で自殺未遂に追い込まれた女子高生、由紀(小松菜奈)。
彼らは家族や世間から遠ざけられても、明るく生きようとしていた。
そんな日常を一変させる殺人事件が院内で起こった。
加害者は秀丸。
彼を犯行に駆り立てた理由とは—― ?  

許されることではない殺人という罪だが、果たしてこの罪を裁けるのだろうか。
生きることを棄てていた秀丸が、最後の最後で見つけ、守りたいと願った光。
それを無残に踏みにじられたやり場のない怒りと、絶望的な状況でも失われない優しさ。
とっくに人生を棄てた自分がすべてを背負って、落とし前をつけようとした末の犯行。

精神病院が舞台なだけに重い映画だが、人間の優しさを描いている。
セリフのない鶴瓶さんのラストシーンが、生きようとするチカラと希望を伝えている。
テレビの鶴瓶さんとは、全く違う。