安蒜豊三 きょうもよろしく

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「よろしく劇場」 ジェントルメン

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よろしく劇場 『ジェントルメン』
5月7日(金)よりミッドランドスクエアシネマ他全国ロードショー (4月30日現在)

監督・脚本・製作:ガイ・リッチー
出演:マシュー・マコノヒー、チャーリー・ハナム、ヘンリー・ゴールディング、ミシェル・ドッカリー
ジェレミー・ストロング、エディ・マーサン、コリン・ファレル、ヒュー・グラント
配給:キノフィルムズ


利権総額500億円という大麻ビジネスをめぐる、ゲス探偵、ゴシップ紙編集長、ユダヤ系富豪、
チャイニーズマフィア、ロシアンマフィア、そして下町の悪ガキというワル同士の抗争を、
ロンドンを舞台にスタイリッシュかつスリリングに描いたガイ・リッチー監督最新作。


ワル同士の抗争劇なのでコロシもあるが、描き方がスタイリッシュなのでエグサは皆無。
登場するクルマ、衣装、小物、登場人物のいでたちはセンスあるカッコよさにあふれ、
セリフや行動にはユーモアとキュートさも感じられる。

たぶん、セリフは粋なニュアンスなんだろうなぁ。
もっと英語力があれば・・・・・・

一見、何気ない描写やエピソードが、物語が進行するなかで、伏線として見事に回収されていく。
事情がわかるまでの序盤はゆっくりとしたペースだが、
一気にスピーディーな展開に引き込まれ息つぐヒマもないほどで、ラストまで持っていかれる。
あーーー、面白かった!

よろしく劇場 「くれなずめ」

よろしく劇場
「くれなずめ」 4/29(木・祝)公開  ⇒ 5月12日公開 

監督・脚本 松居大悟 舞台の映画化
成田凌,高良健吾,若葉竜也,浜野謙太,藤原季節,目次立樹。
主題歌/挿入歌ウルフルズ


高校時代の帰宅部仲間が友人の結婚式で再会。  
街をさまよいながらの二次会までの時間、 学生時代のしょうもない思い出話が描かれる。

自分にも身に覚えがある若いころの馬鹿騒ぎに笑っているうち、中盤から事情がわかってくる。
6人いるはずなのに、他の人からは「5名様」と呼ばれる。
芳尾(成田凌)が5年前に死んでいることがわかってくる。
芳尾は成仏していない。
そして、他の5人は彼の死を認めたくない。
そんなやり取りと、エピソードのうちに
芳尾の死後5年間にくすぶっていた想いやわだかまりをぶつけ合う。

ここまでで、笑いと涙で目がぐじゃぐじゃなのだが、 終盤には想像もできないバカげた呆れるような展開。
おかしいのに、せつなくて。 笑いと涙が同時に襲い酸欠になった。

くだらないことでバカ騒ぎした青春を経験した男たちは、共感間違いなし。
女性は、男ってこんなにバカなの?でもかわいいかもしれないと思ってくれたらいいな。

傑作です。
高校ラグビー部や大学ゼミの仲間たちに、無性に会いたくなった。

「よろしく劇場」 「Sleep マックス・リヒターからの招待状」

4月16日 「よろしく劇場」
「Sleep マックス・リヒターからの招待状」
4月16日(金)公開  伏見ミリオン座

2018年ロサンゼルス、シドニーのオペラハウスや、アントワープの聖母大聖堂で、
そしてパリ、ベルリン、NY-世界各地の会場で開催された
真夜中に始まり、朝方に終わる、8時間以上に及ぶ、“眠り”のためのコンサート。
音楽家マックス・リヒターによる“眠り”のための楽曲「SLEEP」。
真夜中から明け方にかけて演奏され、
観客は会場に並べられたベッドに横になって眠ることも、歩き回ることも自由。
そんなイベントを体感するドキュメンタリー。  

長いこと売れない芸術家のリヒター夫妻の苦労話、
音楽の構築法やイベントの裏舞台なども興味深い。

ひとりっきりの人、パートナーと抱きあうカップル、
それぞれの寝姿が無防備でイノセント。
朝、コンサート終了後の観客の
憑き物が落ちたようなすっきりとリフレッシュした表情がうらやましい。

全編を通じて流れる音楽で、眠りに落ちないながらも(ちゃんと見ないといけないから)、
身体のチカラが抜けていくようなリラックス感を覚えた。

いかに日常生活で「眠り」を犠牲にしているのか・・・・
平日午前2時起床の生活だと、7時間ベッドにいたとしても、日中ずーっと眠いんだよ。
2年半たった今でも、慣れていない・・・・・

「よろしく劇場」  「ブルー」

「よろしく劇場」
4月9日公開 「ブルー」

松山ケンイチ/木村文乃/柄本時生/東出昌大

誰よりもボクシングを愛する瓜田(松山)は、どれだけ努力しても負け続き。
あまりの負けっぷりに後輩から見下されている。

一方、瓜田が誘って入門した後輩の小川(東出昌大)は抜群の才能で日本チャンピオン目前、
瓜田の幼馴染の千佳(木村文乃)とも結婚を控えていた。

しかし、順風満帆な小川の体には「パンチドランカー」の症状。
千佳から、小川を止めてほしいと頼まれる瓜田だが、
すべてを犠牲にしてもチャンピオンになりたいという気持ちが痛いほど理解できるゆえ、それはできない。

主演の松山ケンイチの完璧な仕上がりは、まさに“ボクサー”
負け犬的な存在なのに飄々として悲壮感がない。
ボクシングを愛している、アイデンティティであることが、その観察眼やコーチングに現れている。
夢破れ、ラストシーンの瓜田。
ボクシングのフットワークを踏むシルエットがとんでもなく美しい。

木村文乃も東出昌大もいい。

入門生・楢崎(柄本時生)は、女性にいいかっこするのが動機のヘタレだったが、
瓜田の指導の下、基本に忠実に練習を積み本気になり、成長していく姿が、希望。

登場人物すべてに感情移入できる。
派手さや、かっこいいアクションを排したボクシングシーンがリアル。
報われない努力を肯定しつつも、美化、賞賛している描き方ではないし、安直さのひとかけらもない。
突き放しているようで、ひとかどの者になれない人間への共感に満ちている。

大どんでん返しやドラマチックな展開がないからこそ伝わるものがある。

明日を生きる気持ちにさせてくれる見事な作品。
こころ折れそうなときにいかがでしょうか。

よろしく劇場 2本立て

よろしく劇場
『サンドラの小さな家』2021年4月2日(金)公開
【原 題herself】  

アイルランドを舞台にシングルマザーの貧困、家庭内暴力といった問題を背景にしつつも、
それでも強く生きる女性を描く作品。

シングルマザーのサンドラ(クレア・ダン)は、虐待をする夫のもとから2人の幼い娘と共に逃げ出したが、
公営住宅には長い順番待ち、ホテルでの仮住まいの生活から抜け出せない。
ある日、手頃な家を自分で建てようというアイデアを思いつく。
仕事仲間やその友人たちの協力を得て、一軒の小さな家が完成に近づく。
しかし、タチの悪いDV夫の妨害にあう。

決して、すべてが解決するハッピーエンドではない。
「まさか」という、DV夫の馬鹿さ加減が腹立たしい。
そして、そのDVの背景もさりげなく描かれている。
DVは連鎖するといわれるが、まさにそのケース。
サンドラが自由を得るための犠牲が痛々しく、
DVの被害者が、どうしてここまで追い詰められないといけないのかと腹が立つが、
そこから再び立ち上がる姿と、彼女を支える娘と友人たちの存在が希望を持たせてくれる。


きまじめ楽隊のぼんやり戦争
伏見ミリオン座 4/2(金)~    三重 進富座5/29(土)〜  

前原滉:橋本マナミ:矢部太郎:片桐はいり:嶋田久作:きたろう:竹中直人:.石橋蓮司

目的もわからず、どんな人々か知らない相手と毎日戦争をしている架空の町が舞台の
シュールかつユーモラスな異色作。

戦前の日本の片田舎のような、津平町。
対岸の太原町の人間は残酷で怖いと信じ切って戦っているが、
相手の素性も戦争のいきさつも目的も知らない。
余計なことは知らなくていい。
言われたことをやっていればいいという
全体主義的な社会を風刺している。

役者すべてが、直立でセリフ棒読みという異様なスタイルを
受け入れられるかどうかで作品の評価が違ってくる。
私は、笑いながらも怖さを感じた。
こんな社会にしたい人がいるのだろうなぁ。