安蒜豊三 きょうもよろしく

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「よろしく劇場」  「ファーザー」

「ファーザー」5月14日公開     (5月7日現在)

第93回 アカデミー賞 主演男優賞(アンソニー・ホプキンス)、脚色賞の2部門受賞

認知症の父親の視点から記憶と時間の混乱を描いていて、 親子愛に泣ける類の映画ではない。

認知症疑似体験。
見ているこちらもアンソニー・ホプキンス演じるアンソニーと同じように混乱してくる。
時間、空間、いきさつ、周囲の人物、すべてが脈絡なく入り乱れ、 何が事実で幻覚なのかがわからなくなる。
最終盤で、アンソニーが自分を失っていく恐怖におびえていく様が凄い。
残酷にリアルに、認知症や老いを描写している。
(とはいえ、それを体験しているわけではないので、「リアル」と言っていいのか疑問だが)


自分自身という存在は、記憶、時間、周囲との関係で確認できているが、
それはかなりあやふやで脆いのだろう。
いつかこんなふうに、自分がわからなくなっていくのかもしれない。
自分という今の存在が、果たして現実のことなのか疑わしくなっていく。
鑑賞後に考えれば考えるほど、うっすらと背筋が寒くなる。
と同時に、いまある状況や家族、他人との関係性をかみしめなければ感じた。

「あんた、だーれ?」
誰も豊三だといってくれなければどうなるのだろう。