安蒜豊三 きょうもよろしく

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よろしく劇場 「浜の朝日の嘘つきども」 

「浜の朝日の嘘つきども」  
9.10(金)~  伏見ミリオン座,ユナイテッド・シネマ豊橋18,
ユナイテッド・シネマ阿久比 ,ミッドランドシネマ名古屋空港  

映画に救われた主人公がつぶれそうな映画館存続に奔走する姿を描いた作品。
脚本・監督は『百万円と苦虫女』『ロマンスドール』等のタナダユキ。
出演:高畑充希、柳家喬太郎、大久保佳代子、甲本雅裕、竹原ピストル、光石研、吉行和子など

福島県・南相馬に実在する映画館「朝日座」。  
100 年近い歴史を持つ名画座として地元住民に愛されていたが、
シネコン、配信、ユーチューブ、東日本大震災、コロナで厳しい経営状況だ。
支配人の森田(柳家喬太郎)は、売却を決意するが、
自称「茂木莉子」(高畑充希)が現れ、朝日座を立て直すという。
それは、「亡くなった恩師・茉莉子(大久保佳代子)との約束」が理由だった。

朝日座は売られて取り壊されてしまうのか。
恩師との約束やそのいきさつはどんなものなのか。

福島中央TV開局50周年記念作品として作られたTVドラマが元になっている。

柳家喬太郎VS高畑充希のやり取りが、まさに落語のようで引き込まれる。
一方、茉莉子先生役の大久保佳代子。
すぐに男に惚れてフラれるキャラ、口が悪いが本質を突く教えとやさぐれ感が見事。
臨終シーンは名場面だ。

泣いて、爆笑し、失笑し、また泣かされる。
ボロボロにされてしまった・・・・

物語、登場人物の背景には様々な問題がある。
東日本大震災、過疎、街の高齢化、技能実習制度での外国人の待遇、家族のありかた。
それらがさりげなく織り込まれていて今の社会を描いてもいる。

ありがとうございます。
いいもの見せていただきました。

よろしく劇場「ドライブ・マイ・カー」「Summer of 85」

8月20日「よろしく劇場」

図らずも、最愛の人を失った男と男の子の話。
どうしようもない喪失感をめぐる2本立て。


「ドライブ・マイ・カー」  8月20日公開 179分
村上春樹の短編小説の映画化。濱口竜介監督。
カンヌ国際映画祭脚本賞、国際映画批評家連盟賞、AFCAE賞、エキュメニカル審査員賞の独立賞も受賞。

「ドライブ・マイ・カー」は、「女のいない男たち」短編小説集の一作で70ページ。
映画化に際しては同短編小説集に収録されている他作品も要素も織り込んでいる。

舞台俳優であり演出家の家福(西島秀俊)は、
女優である愛する妻の音おと(霧島れいか)と穏やかで満ち足りた日々を送っていた。
しかし、妻は共演した俳優たちと関係をもっていた。
彼はそれに気づいていて、ある日、自宅でその現場を目撃してしまう。
しかし、問い詰めることもせず、怒ることもせずが何事もなかったようにしていた。
(それはなぜなのだろう。彼が違う意思表示をしていたら・・・)
そんなある日、音は病に倒れ突然この世からいなくなってしまう。

その2年後、愛用している真っ赤な(小説では黄色)サーブ900の運転を、みさき(三浦透子)が行うこととなる。
無口で地味な彼女の運転は、乗っていることを忘れるくらいにスムーズで上手だった。
招かれた演劇祭で、死んだ音と肉体関係があった男の一人である俳優・高槻(岡田将生まさき)と出会う。
稽古やバーでの高槻とのやりとりや、みさきの運転する車内での会話を通じて
妻を失った行き場のない喪失感や、それまで目を背けてきたものに気付く家福の心理が描かれていく。

どんなに愛していても理解したつもりになっていても、
自分以外の人のすべてを知ることはできない。
ありのままに受け止めるしかないし、大切な人を失っても残された者は人生を生きていくしかない。

文学的で静かで、映像が美しい3時間。
西島秀俊の肉体美のようにぜい肉のない映画。
泣かせたり、わかりやすく盛り上がる映画ではない。説明的なセリフもない。
たぶん、何度も鑑賞に堪えうる、そのたびに受け取るものが発見できる作品だろう。


「Summer of 85」 8月20日公開  

1985年夏、フランス・ノルマンディーの海辺。
2人の少年、アレックスとダヴィドが出会い、永遠に別れるまでの6週間とその後を描いた作品。

ヨットで一人沖に出た16歳のアレックスは、突然の嵐に見舞われ転覆してしまうが、18歳のダヴィドに助けられる。
バイクに2人乗りしたり、遊園地やディスコに行ったり片時も離れないうちに、親友からもっと深い仲になる。
アレックスにとってはこれが初恋だった。
ある日、女の子ケイトが現れたことで、二人の気持ちはすれ違ったまま、
バイク事故でダヴィドは帰らぬ人となってしまう。

色鮮やかでノスタルジックな映像美と、80年代ヒットソングの数々で彩られた、少年たちの美しくも儚い夏。

「理想の親友」から「愛し合う仲」になる二人の少年の姿が、港街や海、バイクで駆け抜ける田園風景に映える。
男同士の恋愛は理解できないが、思春期の不器用な恋模様にはキュンとなる甘酸っぱさを感じ、
愛する人を永遠に失ってしまった喪失感と、それでも続く人生にほろ苦さを感じる。
そうやって少年は大人になるのだ。

「よろしく劇場」 『ジュゼップ 戦場の画家』

©️Les Films d'Ici Méditerranée - France 3 Cinéma - Imagic Telecom -  Les Films du Poisson Rouge - Lunanime - Promenons - nous dans les bois -
Tchack - Les Fées Spéciales - In Efecto - Le Mémorial du Camp de Rivesaltes -  Les Films d'Ici - Upside Films 2020

「よろしく劇場」 8月13日
『ジュゼップ 戦場の画家』
伏見ミリオン座   8月13日(金)  岐阜 CINEX   9月11日(土)   三重 伊勢進富座本館   10月16日(土)


第二次世界大戦前夜、1939年、スペイン内戦時、
避難先のフランスの強制収容所で難民となった実在の画家ジュゼップ・バルトリ。
人間の尊厳を踏みにじられる過酷な状況のなか、監視するフランス人憲兵との間に友情が芽生える。
実話をもとにしたアニメ作品。

デッサンや水彩画のようなタッチが、かえって収容所での過酷な生活を生々しく描いている。  
セリフも音楽も抑えていて、だからこそ、逆に伝わってくる。
人間が獣のようになる状況で、尊厳を失わずに人間らしくいることの崇高さ。
ジュゼップは、絵を描くことで人間らしさを保つ。
一方、セルジュは憲兵という任務と、仲間の外道ぶりに怒りながらも従わざるをえないが、
それでも人間らしさを保とうとする。

「人間性、人の道、良心」など普遍的なテーマで心にしみる良質な作品。

よろしく劇場 2本立て


8月6日 「よろしく劇場」


「元カレとツイラクだけは絶対に避けたい件」 8月6日公開

原題「Horizon Line」が、邦題「元カレとツイラクだけは絶対に避けたい件」に。
おバカカップルの映画かと思いきや、シンプルなパニック・サバイバル映画。

舞台はインド洋に浮かぶ楽園マダガスカル島。
主人公のサラと元カレのジャクソン。
別れてから1年後、共通の友人の結婚式が行われる無人島に向かうセスナ機に偶然乗り合わせる。
客は2人だけ。
離陸直後に突如パイロットが心臓発作で急死。
サラが操縦桿を握ることになるが、GPSもレーダーも壊れていて現在位置も目的地もわからない。
さあ、2人はどうするどうする?
「んなことぁないよ」と突っ込みながらハラハラドキドキ。
何にも考えなくて楽しめる一本。


©2021 ELEVEN ARTS STUDIOS / 「太陽の子」フィルムパートナーズ

『映画 太陽の子』 8月6日(金)全国公開     
          配給:イオンエンターテイメント  

2020 年にNHKで放映されたTV ドラマの映画版。

本土も空襲に見舞われていた太平洋戦争末期。
京都帝大の荒勝教授(國村隼)の指導のもと、
石村修(柳楽優弥)ら学生たちは海軍から依頼された〈原子核爆弾〉の開発を急いでいた。
作った兵器で人が大量に死ぬことは認識しながらも、「物理、科学による真理探究」に憑りつかれていく。
軍人である弟・裕之(故・三浦春馬)は、戦地で戦友たちの死を目の当たりにして、
「国のために命を捧げる」ことに憑りつかれていると同時に、死への恐怖にさいなまれている。
幼なじみの朝倉世津(有村架純)は、正気を失っている世界で、2人とは裏腹に終戦後の未来を考えていた。
そして、先に開発に成功したアメリカによって、広島に新型爆弾が投下された。

それぞれ葛藤する3人の若者が等身大に描かれている。
日本は唯一の被爆国であるが、その加害者になっていた可能性もあったのだろう。
科学技術は進歩し続けているが、それを正しく使うことができない人類。
核、遺伝子、人工知能などなど、
倫理、人道主義、哲学をもとに、どこかで歯止めをかけないと悲劇が起きるのではないか。