映画「初恋」
よろしく劇場 「初恋」2月28日公開
三池崇史監督の最新作。
タイトルの「初恋」から甘い恋愛ものを期待してはいけない。
銃弾が飛び交い、血しぶきが舞い生首も飛ぶバイオレンス。
しかし、陰惨さは不思議と感じない。
各キャラクターの振り切れっぷりに爽快感さえ感じ、シュールでブラックなギャグは笑える。
特に恋人のやくざを殺され復讐の鬼と化したベッキーのブチ切れ方が圧巻。
もともと生きる意欲が薄いように見えたレオ(窪田正孝)が、残り少ない自分の余命を知り,
行きずりの薄幸の少女モニカ(小西桜子)を助けるために修羅場に巻き込まれる。
弱き者を放っておけず、立ち向かっていく様は、かつての任侠映画のようだ。
その守る動機が「初恋」というのか。
親の愛を知らず行く当てのない二人が身を寄せ合っていくラストは、ささやかなハッピーエンドだ。
男には、少なからず「強きをくじき、弱きを助ける」義侠心があるはずだ。
そいつを思い起こさせてくれる。
鑑賞後、ちょっとだけ肩で風を切って歩いてみた。