よろしく劇場「行き止まりの世界に生まれて」
9月18日よろしく劇場 「行き止まりの世界に生まれて」
愛知 伏見ミリオン座 9/25(金)公開
「アメリカで最も惨めな町」「ラストベルト」イリノイ州ロックフォードに暮らす
キアー(黒人)、ザック(白人)、ビン(中国系)の3人が必死にもがいた
少年から大人になるまでの12年を描くドキュメンタリー。
監督はこのうちの一人、中国系のビン。
彼が少年時代から撮影してきた映像を基に作られた作品。
幼い頃から、貧しく暴力的な家庭から逃れるようにスケートボードにのめり込んでいた。
スケート仲間は彼らにとって唯一の居場所、もう一つの家族だった。
いつも一緒だった彼らも、大人になるにつれ、少しずつ道を違えていく。
ようやく見つけた低賃金の仕事を始めたキアー、父親になったザック、そして映画監督になったビン。
ビンのカメラは、明るく見える3人の悲惨な過去や葛藤、思わぬ一面を露わにしていくー。
つくりごとのない、第3者が取材するのでもないので、ドラマチックなことは特に起こらない。
かえってそのリアルさが静かに心を打つ。
舞台はラストベルトだが、アメリカ特有の話ではない。
たぶん、日本のそこかしこに今現在起きている話。
悲惨さを強調するわけでもない。
彼らは、ツライ状況を受け止め、もがき苦しむ。
その姿を応援してしまう。
最後は、「よかったね」とホッとできる今。
恵まれない境遇の友人が、幸せをつかみかけているのを知ったような心境。