安蒜豊三 きょうもよろしく

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よろしく劇場  「朝が来る」

よろしく劇場  「朝が来る」  10月23日公開  
過去にテレビでドラマ化。

『殯の森』で、カンヌ国際映画祭「グランプリ」受賞した河瀨直美監督の最新作。
原作は直木賞・本屋大賞受賞のベストセラー作家・辻村深月。

実の子を持てなかった栗原夫妻(永作博美・井浦新)と、
自分が産んだ子を育てることができなかった14歳の少女・ひかり(蒔田彩珠)を繋ぐ「特別養子縁組」を背景に、
現代の日本社会が抱える問題と家族の在り方を問う作品。

徐々にいきさつが明らかになっていくミステリー的な展開。
栗原夫妻の、子供を授かることができない苦しさ。
実の子を手放さざるを得ない少女・ひかりの苦悩とその後の喪失感、家族のなかでの孤立。
それぞれが迫ってくる。

頻繁に挟み込まれる森や海、花や鳥、無機質な都会、穏やかな瀬戸内海などの映像が、
それそれの登場人物の心象風景を表しているようだ。

絶望的な結末の予感だったが、最後は淡い救いの光がともされる。
それは、産みの母と育ての母が、それぞれの苦しみを抱えているからこその理解なのであろう。
そして、両者に共通する子供への献身的で絶対的な愛情。
たぶん、男は父は、本当の意味での理解はできないかもしれない。

瀬戸内海の小島の夕陽を眺めながら、
ヒカリが大きなおなかにいる赤ちゃんに、語りかけるシーンが切なく美しい。

また、ドキュメンタリー的でもあり、望まれない子を身ごもった女性たちを巡る社会の理不尽さや格差、
「特別養子縁組」制度への理解がまだまだ不十分な現実をしることができる。