安蒜豊三 きょうもよろしく

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よろしく劇場  『ハッピー・オールド・イヤー』

12月4日
よろしく劇場  『ハッピー・オールド・イヤー』

名古屋 センチュリーシネマ 12/11(金)  三 重 伊勢進富座 2021/1/16(土) 公開

タイ映画。
2017年ヒットのカンニングをテーマにした『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』 のスタジオGDH55制作、
主人公を演じた9頭身女優チュティモン・ジョンジャルーンスックジンが主演。

断捨離を敢行するヒロインが、その途上で家族、友人、元カレとその今カノを巻き込んで展開する
誰にも身に覚えのあるエピソード満載の作品。

留学先のスウェーデンでミニマルなライフスタイルを学んで帰国したデザイナーのジーン。
かつて父親が営んでいた音楽教室兼自宅の小さなビルで、出て行った父を忘れられずにいる母、
ネットで自作の服を販売する兄と三人暮らしの彼女は、
ある日家をリフォームしてデザイン事務所にするべく、断捨離を開始。

とにかく棄てまくるが、
棄てられない、棄てるべきではないものがあると気づき、方針転換。
洋服、レコード、楽器、アルバム—— 友達から借りたままだったモノを返して廻ったり、
元カレのカメラを小包にして送り返すことで、人間関係にさざ波が立つ。

誰かと時間を共有したときのモノは棄てられるものではない。
モノに込められた人の思いというのもある。

友人、元カレとのやりとりのなかで、ジーンはこれまでいかに自分本位な生き方をしてきたかを思い知らされる。
織り込まれるエピソードは、誰にも思い当たるような普遍的なもので、タイに関する知識は全く不要。
どの国でもリメイクできて受け入れられる作品。
さりげなく哲学的、詩的なセリフがいい。
ほろ苦い結末も、またよし。

大そうじの季節にピッタリ。
断捨離してはいけないものもあるようだ。

よろしく劇場 「サイレントトーキョー」

11月27日
よろしく劇場 「サイレントトーキョー」12月4日(金)公開

「アンフェア」シリーズの秦建日子の小説の映画化。
クリスマスの東京を突如襲った連続爆破テロを描くクライムサスペンス。

佐藤浩市、石田ゆり子、西島秀俊をはじめ、
中村倫也、広瀬アリス、井之脇海、勝地涼ら豪華キャスト。

次々と事態が展開していくので、目が離せない。

爆発物の扱いに長けた犯人像への思い込みが最後の最後にどんでん返し。

爆発見物にわざわざ渋谷スクランブル交差点に集まる民衆の平和ボケぶりが風刺的に描かれている。
自衛隊の国連平和維持活動と安全保障問題や、それらに対する国民の無関心が物語の背景。

大仕掛な事件の動機が明らかになるが、動機にしては弱すぎると疑問が残る。
豪華キャストとスピーディーな展開なので、エンタメとしてはアリ。

よろしく劇場  「ばるぼら」 

よろしく劇場  「ばるぼら」  11月20日(金)各シネコン公開  


退廃的な手塚治虫の70年代大人向け漫画「ばるぼら」の映画化。
監督は手塚治虫の実子・手塚眞。

人気作家・美倉洋介(稲垣吾郎)は新宿の地下通路で
ホームレスのような酔払った少女ばるぼら(二階堂ふみ)に出会う。
彼女を手元に置いておくと不思議と新たな小説を創造する意欲がわき起こるのだ。
彼女は、芸術家を守るミューズなのか、現実の女なのか、幻なのか。
狂気が生み出す迷宮のような世界で美倉は破滅へ向かっていく。

芸術を追及するあまり堕落してゆく破滅型の人間がはまっている稲垣吾郎。
酒に溺れ、都会の片隅でフーテンとして存在する謎の少女-ばるぼらを演ずる二階堂ふみ。
歌舞伎町や地下街での汚いホームレスぶり。
何も隠そうとしない濡れ場の一方、自分を「オレ」と呼ぶ少年のような一面。
妖しい悪魔の子かと思えば、純真無垢、慈悲あふれる天使の顔。
朝ドラ女優がここまでやるのか。

よろしく劇場 「おらおらでひどりいぐも」

よろしく劇場  
「おらおらでひどりいぐも」11月6日公開  

「おらおらでひとりいぐも」とは,「私は私らしく、一人で生きていく」という意。

75歳、ひとり暮らしの桃子さん。
結婚し子供を育て、夫と2人の平穏な日常になると思っていた矢先、
突然夫に先立たれ、ひとり孤独な日々を送ることに。
ある時、桃子さんの“心の声=寂しさたち”が、3人の男の姿で現れた。

戦後の日本女性を凝縮したかのような日々を生きてきた桃子さんの独白と追憶で進む小説が
アニメーションやCG表現を交え視覚化されている。
大きな事件が全く起こらない生活のなか、古代生物や過去の自分たちが現れる突飛な展開、
心に穴が開いたような彼女が、かつて抱えていた自立したいという気持ちを思い出していく。

原作は、63歳の新人作家として注目を浴びた若竹千佐子の芥川賞受賞小説。
監督・脚本は、『南極料理人』『横道世之介』沖田修一監督。
主人公75歳の桃子に田中裕子、若い時代は蒼井優、
夫・周造役に東出昌大、桃子さんの“心の声=寂しさ1・2・3”に濱田岳、青木崇高、宮藤官九郎。

よろしく劇場 【ストックホルムケース】 

よろしく劇場
【ストックホルムケース】  公開11月6日ほか  

誘拐事件や監禁事件などの被害者が、犯人と長い時間を共にすることにより、
犯人に連帯感や好意的な感情を抱いてしまう心理現象
「ストックホルム症候群」の語源となった5日間の立てこもり事件を基に、
ユーモアを交えながらスリリングに描く作品。

70年代のスウェーデン。
平和な町の銀行に、銀行強盗ラース(イーサン・ホーク)が出没。
目的は、銀行強盗で手に入れた金で自由の国、アメリカに渡ることだった。
たまたま銀行に居合わせた幼い娘を持つビアンカ(ノオミ・ラパス)を含む3人を人質に取った。
警察はラース達を銀行に閉じ込め、現場には報道陣が押し寄せ、事件は長期戦となっていく。
すると犯人と人質の関係だったラースとビアンカたちの間に、不思議な共感が芽生え始める……。

1時間半程度の短めゆえコンパクトにリズム良い展開で、細かい心理描写を積み重ねている。

ラースは粗野でバカだが憎めない奴で、悪態をついても、間抜けとも思える人の好さ。
女性の人質のため生理用品を警察から貰おうとしてくれたり、
食料が少ないなか、梨を分けてくれたりするシーンがそれを物語っている。
じきに登場人物たちが交わす会話や視線が温かみを帯びてくる。
そして、人質であるビアンカとラースの間に恋愛めいた感情が湧いてくる。
また、もう2人の男女人質も共感していき、5人はワンチームのようになってしまう。

事件解決の数年後を描いたのが、ラストシーン。
そのあと、どうなるのかが知りたい・・・
人間心理とは不思議なものだ。