安蒜豊三 きょうもよろしく

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「よろしく劇場」  「望み」

9月25日「よろしく劇場」
「望み」   10月9日(金)各シネコン 公開

雫井脩介原作小説の映画化。監督は堤幸彦。

一級建築士の石川一登(堤真一)とフリー校正者の妻・貴代美(石田ゆり子)は、
一登がデザインを手掛けた邸宅で、高一の息子・規士(岡田健史)と
中三の娘・雅(清原果耶)と共に幸せに暮らしていた。

規士は怪我でサッカー部を辞めて以来遊び仲間が増え、無断外泊が多くなっていた。
冬休みのある晩、規士は家を出たきり帰らず、連絡すら途絶えてしまう。
翌日、同級生が殺害されたというニュースが流れる。
警察の調べによると、規士が事件へ関与している可能性が高いという。
さらには、もう一人殺されているという噂が広がる。

まさか、うちに息子が殺人なんて。無実であってほしいと願う父。
しかし、それは2人目の被害者であることを意味する。
一方、殺人犯でもいいから生きていてほしいと祈る母。
兄のことは大好きだが、自分の未来が壊されることを恐れる妹。
それぞれの対立する望みは、ちょっとした言葉の行き違いを発火点に家族を引き裂いていく。

過激なマスコミ取材、いやがらせ、仕事の人間関係もズタズタ。
押しつぶされそうな状況の中、事件の真相が明らかになっていく。
大切に育てた息子がとった行動が明らかになる。
それは、父母が教えてきたことを守った結果で、信じていた通りの誇れる息子だった。
だが、同時にあまりにツライ、切ない真実。

それでも残された3人がそのあとも生きていけるための光が残った。
息子の思いは家族を救ったといえるのだろう。

子を持つ親にはひとごととは思えない一作。

よろしく劇場「行き止まりの世界に生まれて」 

9月18日よろしく劇場  「行き止まりの世界に生まれて」  
愛知 伏見ミリオン座 9/25(金)公開

「アメリカで最も惨めな町」「ラストベルト」イリノイ州ロックフォードに暮らす
キアー(黒人)、ザック(白人)、ビン(中国系)の3人が必死にもがいた
少年から大人になるまでの12年を描くドキュメンタリー。
監督はこのうちの一人、中国系のビン。
彼が少年時代から撮影してきた映像を基に作られた作品。

幼い頃から、貧しく暴力的な家庭から逃れるようにスケートボードにのめり込んでいた。
スケート仲間は彼らにとって唯一の居場所、もう一つの家族だった。
いつも一緒だった彼らも、大人になるにつれ、少しずつ道を違えていく。
ようやく見つけた低賃金の仕事を始めたキアー、父親になったザック、そして映画監督になったビン。
ビンのカメラは、明るく見える3人の悲惨な過去や葛藤、思わぬ一面を露わにしていくー。

つくりごとのない、第3者が取材するのでもないので、ドラマチックなことは特に起こらない。
かえってそのリアルさが静かに心を打つ。
舞台はラストベルトだが、アメリカ特有の話ではない。
たぶん、日本のそこかしこに今現在起きている話。

悲惨さを強調するわけでもない。
彼らは、ツライ状況を受け止め、もがき苦しむ。
その姿を応援してしまう。
最後は、「よかったね」とホッとできる今。
恵まれない境遇の友人が、幸せをつかみかけているのを知ったような心境。



 

 「よろしく劇場」 「喜劇 愛妻物語」

9月11日 「よろしく劇場」  
    「喜劇 愛妻物語」  9月11日 各シネコン公開



売れない脚本家の豪太(濱田岳)は、大学で知り合ったチカ(水川あさみ)と結婚して10年目。
5歳の娘のアキ(新津ちせ)がいるが、脚本家としての年収は50万円程度で、
もっぱら生活費はチカのパート頼り。
若い頃は豪太の才能を信じて支えてくれていたチカも、今では豪太の情けなさに呆れ果て、
口を開けば罵倒の言葉が飛び出す毎日で、セックスレス状態。

ある日親子3人は、豪太の脚本取材のため、四国旅行へ出かける。
貧乏ゆえの節約強行日程のなか勃発する様々な事件。
ついにチカの怒りは頂点に。夫婦関係崩壊の危機に。

豪太(濱田岳)のダメっぷりがはまり役。
それ以上にチカ(水川あさみ)の鬼嫁ぶりがすさまじい。
これ以上考えられないほどの罵詈雑言が機関銃のように放たれる。

しかし、一環してチカの罵倒の裏にはちゃんと愛情がある。
豪太のダメなのはその押しの弱い性格や、仕事上のどうにもならない不可抗力で、
チカはそんな夫が報われるのを願っている。
2人が若いころ、脚本をワープロで代筆してあげたり、
赤いパンツで運気向上を願ったりといったエピソードがほほえましい。
毛玉の付いたくたびれた赤いパンツに包まれた水川あさみの尻がリアル。

人生経験のある夫婦なら共感できるだろう。
ロマンチックでもない、かっこよくもない。みっともなくドタバタな2人がいい。
最終盤の水川あさみがいじらしく、「鬼嫁」が「菩薩」に見えた。
こんな嫁を笑顔にしてあげないと男がすたるのだ。
ぜひ、ご覧あれ!


裏の光景


生放送中のスタジオ。
番組中身はワンオペなので、マイク周辺はご覧のありさま。
リスナーさんからのメール、ニュース原稿や新聞コピー。

たまに、必要なモノが行方不明になり半パニックになることも・・・
かと思えば、その状況に最適なモノにとっさに目が吸い寄せられる奇跡の瞬間もある。
世は「ペーパーレス」の方向で、そうあるべきだと思うが、
人間が動物である限り、「アナログゆえの閃き」も大切にしたい。
 

よろしく劇場 2本立て

「よろしく劇場」

mid90s(ミッドナインティーンズ)9月4日公開

実力派俳優ジョナ・ヒルの監督デビュー作。
自身の10代の想い出をもとにした90年代への愛情と夢をたっぷりに描いた少年たちの成長物語。
スーパー・ファミコンやカセットテープ、ストリート・ファイターなど
時代を象徴するような懐かしい アイテムが盛り沢山で劇中に登場する。
音楽はニルヴァーナ、ピクシーズ、モリッシーなど90年代のヒット曲で彩られている。

1990年代半ばのロサンゼルス。
13歳の小柄な少年スティーヴィーは力の強い兄に全く歯が立たず、
早く大きくなって見返してやりたいと願っていた。
そんなある日、街のスケートボード・ショップを訪れたスティーヴィーは、店に出入りする少年たちと知り合う。
スケボーを楽しみ、あえて汚い言葉遣いで不良に見える彼らは
スティービーの目には自由でかっこよく映り、憧れのような気持ちで行動を共にするようになる。  

口ぎたない言葉遣い、タバコ酒、ドラッグ、不純異性交遊。
明らかに子供なスティービーが金魚の糞みたいにくっついている悪ガキの4人組だが、
虐待、貧困、人種差別、親とのいさかいなど、
それぞれが家に帰りたくない事情を抱えていて、本当のワルではない。
みんなスティービーをかわいがり、受け入れてくれ、スティービーは自分というものを確立していく。
スケボーがうまいリーダー格の黒人少年レイがプロになれそうな状況で生じる
グループ内での嫉妬や微妙な空気が醸し出されていくうちにとんでもない事件が起きてしまう。

育った年代は違うが、思春期の微妙さは覚えのあることで、見終わってのキュンとした感じが心地よかった。
青春は甘酸っかったり、輝いているばかりではなく、
恥ずかしくて、イケてなくて、みっともなくて、馬鹿げているものなのだ。
チューボーの時に、一緒にバカげたことをやった仲間が恋しい。
失礼な上から目線ながら、「掘り出しモノ」の好作。



「ミッドウェイ」   9月11日公開予定

『インデペンデンス・デイ』『デイ・アフター・トゥモロー』など
SFやスペクタクルを手掛けたローランド・エメリッヒ監督作品。

連合艦隊司令長官山本五十六を豊川悦司、
南雲忠一 中将を國村隼、山口多聞 少将を浅野忠信が演じている。

日本人としては、エンタメとして楽しむにはひっかかりがあるかもしれないが、
ローランド・エメリッヒお得意のスペクタクル・エンタメ作品なので、
迫力の戦闘シーンは映画館のスクリーンでお楽しみください。

「悪魔・怪物的」ではなく、3人の日本軍司令官は理性的な軍人・人間として描かれている。
米兵捕虜の扱いにはジュネーブ条約違反の描写が1つあるが、おおむね日米双方に敬意がある描き方。