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直球勝負!大澤広樹

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気まぐれ映画評『永遠の0』 気まぐれ映画評

きょうは

ただいま公開中の『永遠の0』です。



原作は既読でしたが、この分厚い骨太な一冊をどの程度再現できるのか、ちょっと不安な気持ちで観始めたのですが、いやいや、杞憂でした。

開始早々から涙が流れ始め、中盤以降はずっと泣き続けてしまった気がします。それくらい丁寧に、戦争とは何か、特攻とは何かに迫り続けた良作です。天才パイロット・宮部久蔵を演じた岡田准一さん、本当に名優と言っていい域なのではないでしょうか。静かな熱演でした。戦争中に「生きたい」などと言うことを口にするのははばかられる時代に、率直に「生きること」を追い続けた宮部、しかし最後は特攻を選び、戦死する。宮部に指導された部下たちも個性が際立っていて、とてもよかったです。

劇中のセリフにもありますが、「語り継ぐこと」がこの映画の大切なテーマになっています。もちろん、『永遠の0』は、膨大な取材に基づいて作られたフィクションです。この映画が真実を描いているかどうかはわかりません。しかし、戦争が多くの命を終わらせ、多くの人生を変えてしまったことは間違いありません。映画終盤で、佐伯健太郎(三浦春馬)が歩道橋の上で空を見つめる、その空には零戦に乗った宮部久蔵が飛んでいる…、あのシーンだけは苦笑いしてしまいましたが、それ以外は映画に引き込まれっぱなしでした。

かつて私が鹿児島・知覧の「特攻平和会館」で流した涙が、この2時間半の間、よみがえってきました。

気まぐれ映画評『ゼロ・グラビィティ』 気まぐれ映画評

きょうは

興奮の冷めないうちに

『ゼロ・グラビィティ』を取り上げます。


3Dと2Dがありますか、絶対に3Dでご覧ください。宇宙という、ほとんど味わった人がいない空間を疑似体験するには、3Dです、絶対に!と断言できるくらいの革新的な技術が素晴らしいです。宇宙を体験できますよ、本当に。

ライアン博士(サンドラ・ブロック)とコワルスキー飛行士(ジョージ・クルーニー)のふたりしか出てきません、と言っても過言ではありません。宇宙というのは「無」で「孤独」な空間なんですね。事故でスペースシャトルから無重力空間に投げ出されてしまったふたりのサバイバル。宇宙から見た地球は本当に美しいが、音もない、空気もない宇宙で死と向き合うふたり。そのふたりの会話も十分な聞き応えがあり、ほとんど顔を見せることがなくてもジョージ・クルーニー、サンドラ・ブロックは流石だなと思わせてくれます。きれいな映像、革新的な3D技術、その美しい舞台での「死」の恐怖との戦い。何度も繰り返しますが、3Dでご覧ください。

2013年に公開された洋画で一番かも。

気まぐれ映画評『キャプテン・フィリップス』 気まぐれ映画評

きょうはただいま公開中の映画、

『キャプテン・フィリップス』を。



トム・ハンクス主演の映画にハズレなし。

2009年、ソマリア沖で4人の海賊に襲われたコンテナ船アラバマ号。その船長がフィリップス(トム・ハンクス)。乗組員の命と引き換えに、自ら人質になったフィリップスと海賊との息詰まる心理戦に、グイグイ引き込まれていきます。

あのドデカいコンテナ船が、たった4人の海賊に乗っ取られてしまう、しかもこれが現実だと思うとショックを受けました。フィリップス船長に特殊な能力があるわけでもなく、派手な展開があるわけでもないですが、丁寧に性格づけされた海賊とフィリップス船長との心理戦、そして爆発する恐怖心、トム・ハンクスはさすがだが、海賊を演じた4人も素晴らしい演技で圧倒されます。始まりから終わりまで緊迫感がハンパでない。この作品の監督、ポール・グリーングラスと言えば、手持ちカメラでグラグラと揺れる映像なので、目は疲れますが、見終わった後の心地よい疲れに比べたらどうってことはありません。実話がベースなので結末はわかっているのですが、そんなことは関係なし。やっぱり「トム・ハンクスにハズレなし」。

気まぐれ映画評『清須会議』 気まぐれ映画評

久しぶりになります「気まぐれ映画評」、

きょうは

ここ愛知県が舞台の『清須会議』です。



私は高校時代に日本史を選択していましたが、この「清須会議」を知りませんでした。

天正10(1582)年、織田信長亡き後の後継者問題などを協議するため、尾張の清須城で開かれた評定(会議)が清須会議です。柴田勝家と羽柴秀吉がお互いの意見を通すべく、心理戦を挑み、そして仲間を増やすべく工作に奔走した5日間。その清須城内の5日間を、いかにも三谷幸喜監督らしくコミカルに描いたのがこの作品です。歴史を知らずとも十分に楽しめる内容になっています。

多くの歴史上の人物が登場するのですが、大泉洋さん演じる羽柴秀吉がいかにも光っていました。「人たらしの天才」といわれた秀吉ですが、持ち前の頭脳を生かした遠謀深慮に近寄りがたい「恐れ」を感じさせながらも、いかにも人に愛される笑顔を含めたその人柄。天下を統一した人物はやはり一味もふた味も違うなと思わせるに十分な、大泉洋=秀吉。脇を固めるお市の方(鈴木京香)やお寧(中谷美紀)、松姫(剛力彩芽)といった女性陣、柴田勝家(役所広司)、丹羽長秀(小日向文世)、池田恒興(佐藤浩市)ら織田家の家老たち、みな生き残るためにしたたかで、生き残るために必死なのだと思うと、誰にでも感情移入せざるをえません。

三谷作品はどれも面白いですが、『ステキな金縛り』を観ておいたほうが、ちょっとお得です。

気まぐれ映画評『テッド』 気まぐれ映画評

気まぐれ映画評、

今回は『テッド』です。



アメリカ的な「笑い」って、日本人にとっては理解できない、そのツボがわからなかったりすることが珍しくない。しかし、『テッド』に関しては多くの観客にその「笑い」が受け入れられるはずだ。『スター・ウォーズ』や『ブリジット・ジョーンズの日記』などに知識があったほうが面白く感じられるのは確か。ただ、『フラッシュ・ゴードン』を知らなくても(私も知らない)、ノラ・ジョーンズを聴いたことがなくても、どうってことはない。見た目は愛くるしいが中身は35歳という、テディベアのギャップこそこの映画の最大の魅力だから。

友達がいない8歳の少年ジョンと命が宿ったテディベア「テッド」、それから27年にわたり一緒に暮らし、いまやマリファナを吸って、B級映画を観て、ダラダラ…。酒、女、クスリにおぼれるダメ熊がいまのテッド。なのだけれど、最後はふたりの熱い友情を見せつけられ、観ているこちらがダメオヤジ熊の魅力に引き込まれてしまっている。テッドがそばにいたら面白いよな、と思ってしまうのだ。

放送禁止用語乱発、言葉遣いは悪い、品がない、ブラックジョークたっぷりで、観る人との相性がかなり重要な作品かもしれない。私は【日本語版】を観たのだが、アメリカンジョークを日本語にするにはたいへんな苦労があったろう。「くまもん」って、とは思ったが。タレント・有吉弘行さんがテッドの声を演じているのだが、なんか、そのまんまな感じで良かったり、逆にイメージできすぎて…というところがあったかもしれない。

「話題になっているようなので、観ておくか!」くらいの気持ちで臨むとハマるかも。いずれにせよ、テッド自身も、この作品も憎めません。