同じアナの… 定期列車
仲間が職場を去る。その時が迫り、実感が徐々に湧いてきた。
今日は卒業する3人が揃う、最後の日だ。
下岡陽子アナ。1年という短い間に「ラジオ声」を確立した。
頭の回転の速さとキャラクターの濃さ。ラジオ向きの要素に声が追いついたのだ。
その矢先だけに惜しい。その先を見てみたい。
川島葵アナ。歌手であり女優であり芸人であり、そして確かにアナウンサーであった。
新人の頃「『流石の源石』のような番組をやってみたい」と宣言。追い抜かれるのは早かった。
これからも「日本一の喋り手」を目指せ。みんなが背中を見ているぞ。
佐藤友香アナ。苦楽を共にし16年、「モルゲン!!」でも2年。
正直あなたがいなくなった後を想像できません。
贈る言葉、もう少し考えさせてください。
同じ釜の飯を食った仲間たち。
個性はそれぞれ強いけど、何かあれば一つにまとまる。
この集団が実はこの上なく好きです。
後輩を送り出すのは正直辛い。そして自分が不甲斐ない。
だから卒業ではなく「放流」という言葉を使います。
奇しくも3人は結婚という新たな経験を得ました。
そこから広がるさまざまな出来事を糧に、
再びラジオの世界に「遡上」してくれるとうれしいです。
どんな形でも、何万分の一でも構いません。また力を貸してください。
それはきっと、今のラジオに一番足りないものだと思うから。
残された者にできるのは、遡上しやすい環境を整えること。
藻やゴミや有害物質だらけの川であっても、泳ぎきる逞しさを備えること。
正直ラジオは厳しいです。でもこんなに面白いところもありません。
愉しく、大人気なく、真剣に、柔軟に。
そんな気持ちを日々伝えることが、少しでも恩返しになればと信じています。
「美味時間」で新しい挑戦をサポートし、続けることの大切さを教えてくれた大先輩の堀田ディレクター、
おバカCD情報をいち早く知らせてくれたレコード室の武田さんにも、この場を借りて御礼申し上げます。